貴族たちの権力闘争を避けるため、
少年は父の命令に従い、忠実なメイド・システィアと共に辺境の洋館へと向かった。
家族から疎まれたことに複雑な思いを抱えながらも、
好意を寄せるシスティアと共に過ごせることが、唯一の慰めだった。

新たな生活に馴染もうとする中、少年はこの洋館に漂う異様な空気に気づき始める。
館は祖父が、名も知らぬ貴族と共に購入した古い建物で、
その広間にはかつての「女爵」の肖像画が飾られていた。

──その女の姿は、あまりにも艶めかしく、そして淫靡だった。

その夜、少年の心には女中への妄想と肖像画の妖艶さが入り混じり、
やがて彼の耳に、囁くような奇妙な声が届き始める。

夢か現実か。
それとも──何か、常ならぬ“存在”が、彼を見つめているのか。

淫夢の奥、絵の女が微笑むその先で、
少年は淫欲と狂気に堕ちてゆく……。
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※収録内容:モノクロ漫画+表紙+表紙の下描き
※作品サイズ:JPGファイル 2895×4093px
※表紙1ページ+本文21ページ